エコミュージアム・ツアー検討のための下見的見学会を11/4に行いました。先月から1ヶ月間になんと3回目。今回は東広島市の主に西部をまわりました。(参加者15名)
訪問先:豊穣の池・長寿の森・槌山城址、小倉神社、七ツ池、曽場ケ城山、八本松八十八石仏、並滝寺・並滝寺池、虚空蔵山、八条原城址・新機隊、志和堀小水力発電施設、時報塔、ホタルの宿・ホタル荘
下見なのでいろいろな場所をめぐりましたが、あえてジャンルをつけると、1)歴史・文化財(菖蒲の前伝説ゆかりの地、中世の合戦の舞台となった城趾、明治維新期に活躍した新機隊ゆかりの地)、2)里山保全や環境教育などの舞台となっている場所、3)登山・ハイキングの名所、4)工業都市・東広島市の一端をうかがいうる場所、が訪問先には含まれていた。
大学に戻って意見交換。意見はたくさん出ました。たとえばこんなものです。並滝寺池の景色・雰囲気はとても良い。ここに入浴施設や宿泊施設、キャンプ施設があるとよい。ため池でのサップ体験も面白そう。登山・ハイキング客にターゲットを絞った企画が作れそう。よい場所・空間はあるがアクセスが悪い。山を巡るエコミュージアムはありと思う。神社仏閣は専門家の解説があると面白いが一般のガイドにそこまで期待できるのか。菖蒲の前伝説をどうアピールするか。遺跡や神社と菖蒲の前をセットにしたストーリーをアピールするのがよい。歴史ハイキングはニーズがありそう。歩くのを中心にするツアーの場合、雨天にどうするのかが問題。石仏を探しながら歩くのは面白い。ただ、石仏の彫刻のバリエーションに欠ける。散策ルートと住民のプライベート空間が重なることへの配慮が必要。そういう空間は地域の子供達の学習に向いている。パンフレットや案内に現状にふさわしくない記載などがある(交通安全等)。工場見学は面白そうだし、学生を含む住民のニーズもありそう。今回のルートは地味だったけれども外国人にとって面白かった(歴史の話や日本の農村生活など)。ホタルの宿等を学生がもっと利用してよい。茅葺き民家での、囲炉裏や七草粥、雪見、ホタル見物、流しそうめんなど、子供にとって良い経験であるし、家族や親しい友人らの団らんになる。キャンプをしたり、ぶらりと歩いたり、民家に宿泊したりする場合に、制約が多い。宿泊型の農村体験ができるとよい。季節によってできること、できないことがある。今回の訪問先で、文化財の劣化が随所にみられた。これらをどのように次世代に引き継いでいくのか。費用負担の問題や高齢化による担い手不足の問題など、見学を通じて、知って、関心を持ってほしい。もともと観光空間でないところを観光利用するにあたって、既存の規制をどうクリアするかや、地権者等の権利者との調整が大きな課題となる。